森の赤い妖精とも呼びたくなるアカショウビン。
鮮やかな赤褐色の体と、長く赤いくちばし。
そして、初夏の森に響く「キョロロロ……」という声。
姿を見られる時間は、ほんの一瞬かもしれません。けれど、その一瞬の赤い影が、深い森の記憶として長く心に残ります。
鳥取県には、大山のブナ林、大神山神社奥宮へ続く深い森、鏡ヶ成や烏ヶ山周辺の山地林、船上山の渓流、氷ノ山西麓のブナ林など、初夏にアカショウビンを探したくなる環境が点在しています。
この記事では、鳥取県でアカショウビンに出会える可能性があるおすすめ探鳥地を5か所紹介します。実際に観察したことがある場所は実録エピソードを交え、それ以外の場所は候補地として、探し方や注意点をまとめました。
探鳥前の準備パートナー
アカショウビンは、声は聞こえても姿を見るのが難しい鳥です。薄暗い枝葉の奥に止まったり、赤い影だけを残して森の奥へ飛んでしまったりすることがあります。
大山周辺のブナ林や、氷ノ山西麓のような山深い森では、暗い林内でも見やすい双眼鏡があると、枝の奥にいる鳥の姿を確認しやすくなります。
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また、アカショウビンは長く撮影チャンスをくれる鳥ではありません。出会えたとしても、一瞬だけ枝葉の間を横切ることも多いです。薄暗い森でその出会いを記録するなら、軽くてすぐに構えられるコンデジがあると心強いです。
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鳥取でアカショウビンに出会えるおすすめ探鳥地5選
1位 大山ブナ原生林・大山寺周辺(大山町)
鳥取県でアカショウビンを探すなら、まず候補にしたいのが大山ブナ原生林・大山寺周辺です。
大山は鳥取を代表する山で、周辺には深いブナ林や湿った谷筋が残っています。初夏の早朝は森の空気がひんやりとしていて、夏鳥の声がよく通る時間帯です。
アカショウビンを探すなら、明るい参道沿いだけでなく、谷筋に近い暗い林内、沢音が聞こえる場所、湿り気のある森を意識したいところです。歩き続けるよりも、時々立ち止まって耳を澄ませると、声に気づきやすくなります。
【実録エピソード】
大山寺周辺のブナ林は、朝のうちは参道の空気までひんやりしていました。
木々の間に光が差し始めたころ、奥の谷筋から「キョロロロ……」と声が響きました。
大神山神社へ向かう道の途中で立ち止まり、声の余韻を頼りに枝葉の奥を見ていると、赤い影が太い幹の向こうへ消えました。
長く見られたわけではありません。
けれど、大山の森の大きさを、その一瞬で強く感じました。
朝の光、湿ったブナの匂い、谷から響く声。
すべてが重なって、森そのものがアカショウビンを抱いているように感じた出会いでした。
Googleマップ
https://maps.google.com/?q=大山ブナ原生林・大山寺周辺
駐車場情報:大山寺周辺の駐車場を利用できます。登山者や観光客が多い時期は混雑しやすいため、早朝到着を意識すると安心です。
注意事項:登山者、参拝者、観光客に配慮し、歩道や参道を外れないようにしましょう。三脚や望遠レンズで通路をふさがないようにし、早朝でも大きな声や音を控えることが大切です。
2位 大神山神社奥宮周辺(大山町)
大神山神社奥宮周辺は、大山寺周辺とあわせて歩きたい、深い森の雰囲気が残る場所です。
長い参道の周囲には、杉やブナが混じるしっとりした森が広がり、沢の気配も感じられます。信仰の場らしい静けさがあり、鳥を探すというより、森に入らせてもらうような気持ちで歩きたい場所です。
アカショウビンを探すなら、参道沿いの暗い林、沢音が聞こえる場所、朝の人が少ない時間帯を意識するとよいでしょう。境内周辺では、撮影よりも静かな観察を優先したいところです。
【実録エピソード】
大神山神社奥宮の参道では、石畳が朝露で少し濡れていて、歩く音まで控えめになりました。
杉とブナが混じる暗い場所で待っていると、遠くから細い声が返ってきました。
参拝の場なので、カメラを構える時間も短くしました。
それでも、枝の奥に赤い色が見えた瞬間、静かに息をのみました。
神社の森らしい張りつめた空気と、アカショウビンの声がよく合っていました。
派手な出会いではありません。
けれど、森の静けさの中で一瞬だけ灯った赤色は、今も鮮明に残っています。
Googleマップ
https://maps.google.com/?q=大神山神社奥宮周辺
駐車場情報:大山寺周辺の駐車場から徒歩で向かう形になります。参拝者や観光客も利用するため、混雑時期は時間に余裕を持って行動しましょう。
注意事項:境内や参道では静かに行動し、参拝者の妨げにならないようにしましょう。撮影目的で長時間同じ場所を占有したり、通路をふさいだりしないことが大切です。
3位 鏡ヶ成・烏ヶ山周辺(江府町・日野町)
鏡ヶ成・烏ヶ山周辺は、大山南側の自然を感じながら探鳥できる高原・山地林エリアです。
高原の開けた雰囲気と、ブナ林や沢筋が近い環境があり、初夏の早朝に夏鳥を探す候補地になります。林縁、湿った谷筋、沢沿いの暗い森を意識すると、アカショウビンの声や気配に気づける可能性があります。
この場所では、広い高原だけを見るのではなく、森との境目や水の気配がある場所を丁寧に確認したいところです。アカショウビンは姿よりも声で気づくことが多いため、立ち止まって耳を澄ませる時間を作るのがおすすめです。
梅雨から初夏の朝、霧が残るような日には、森の奥行きがいっそう深く感じられます。鳥を追いかけるより、声が響く方向を静かに見守るような探鳥が向いています。
Googleマップ
https://maps.google.com/?q=鏡ヶ成・烏ヶ山周辺
駐車場情報:休暇村奥大山周辺の駐車場を利用できます。登山や観光で利用する人もいるため、混雑状況や施設利用のルールを事前に確認しておくと安心です。
注意事項:山道や登山道では天候が急に変わることがあります。霧、雨、ぬかるみ、気温差に注意し、登山装備を整えて無理のない範囲で行動しましょう。熊情報や登山道の状況も確認しておくと安心です。
4位 船上山周辺(琴浦町)
船上山周辺は、鳥取県中部で深い山林と渓流環境を感じられる候補地です。
山林、沢沿い、渓谷の雰囲気があり、初夏の早朝にアカショウビンを探してみたい場所です。湿った森や谷筋を意識して歩くと、声や気配に気づける可能性があります。
アカショウビンは、明るく開けた場所よりも、暗い林内や水の気配がある場所で声を聞くことが多い鳥です。船上山周辺でも、沢音が聞こえる場所、木陰が濃い場所、湿った斜面を意識して探すとよいでしょう。
ただし、渓流沿いや山道では、足元が滑りやすい場所もあります。探鳥に夢中になりすぎず、安全に歩ける範囲で静かに観察することが大切です。
Googleマップ
https://maps.google.com/?q=船上山周辺
駐車場情報:船上山周辺の駐車場を利用できます。登山口や散策路の入口に近い駐車場所を事前に確認しておくと安心です。
注意事項:林道や登山道の状況を確認し、無理な奥入りは避けましょう。雨の後は足元が滑りやすく、沢沿いでは増水にも注意が必要です。携帯電波が弱い場所もあるため、単独行動の場合は特に慎重に計画しましょう。
5位 氷ノ山西麓・若桜町の森(若桜町)
氷ノ山西麓・若桜町の森は、兵庫県境に近い山深いエリアで、ブナ林や湿った谷筋を意識した探鳥に向く候補地です。
氷ノ山周辺は自然度が高く、山地性の鳥を探す楽しみがあります。アカショウビンを狙うなら、沢沿いの深い森、暗い谷筋、湿度の高い林内を意識したい場所です。
このエリアでは、早朝の時間帯に声を頼りに探すのが基本になります。姿を探して歩き回るよりも、声が聞こえそうな環境で立ち止まり、森の音に耳を慣らすのがおすすめです。
ブナ林の奥で「キョロロロ……」という声が響けば、それだけでも心に残る探鳥になります。出会いを急がず、山の空気を味わいながら歩きたい候補地です。
Googleマップ
https://maps.google.com/?q=氷ノ山西麓・若桜町の森
駐車場情報:登山口や周辺施設の駐車場を事前に確認しておきましょう。季節や道路状況によって利用しやすい場所が変わることがあります。
注意事項:山深いエリアのため、熊情報、林道状況、天候、携帯電波の弱さに注意してください。早朝に入る場合は、熊鈴やライト、雨具、飲み物を準備し、無理な単独行動は避けると安心です。
アカショウビンを見つけるコツ
アカショウビンは、姿よりもまず声で気づくことが多い鳥です。
「キョロロロ……」という独特の声が、沢音や風の音に混じって聞こえることがあります。森の中を歩き続けていると聞き逃してしまうこともあるため、時々立ち止まり、耳を澄ませる時間を作るのが大切です。
梅雨から初夏の早朝を狙う
アカショウビンを探すなら、梅雨から初夏の早朝が狙い目です。
雨上がりの朝や湿度の高い日は、森の空気がしっとりして、声が聞こえやすく感じられることがあります。人が少ない時間帯は鳥への負担も少なく、静かな観察にも向いています。
ただし、雨の後は足元が滑りやすくなります。沢沿いや渓谷では増水の危険もあるため、天候と安全を優先しましょう。
声がしても追いかけない
アカショウビンの声が聞こえると、つい近づきたくなります。
でも、近づきすぎると、アカショウビンはすぐに森の奥へ入ってしまいます。声がした方向を確認したら、少し距離を取り、枝葉の奥に目が慣れるまで静かに待つのがおすすめです。
追いかける探鳥より、待つ探鳥。
アカショウビンに出会う日は、こちらが森のリズムに合わせることが大切です。
暗い枝葉の奥を見る
アカショウビンは鮮やかな赤い鳥ですが、深い森の中では意外なほど見つけにくいです。
暗い枝の奥や、葉が重なった場所に止まると、赤褐色の体は森の影に溶け込みます。双眼鏡で枝の奥をゆっくり確認し、動いた影を追うようにすると、姿に気づけることがあります。
山や森の探鳥では安全対策も忘れずに
鳥取のアカショウビン探鳥では、大山、鏡ヶ成、船上山、氷ノ山西麓など、山地や渓谷に入る場面が多くなります。
美しい森ほど、足元のぬかるみ、落石、急な雨、虫、携帯電波の弱さなどに注意が必要です。早朝探鳥では周囲に人が少ないこともあるため、無理のない計画を立てましょう。
最低限、滑りにくい靴、レインウェア、飲み物、行動食、虫よけ、タオル、モバイルバッテリー、熊鈴、ライト類を準備しておくと安心です。
とくにアカショウビン探鳥は、梅雨から初夏の湿った森を歩くことが多いため、雨対策と虫対策はかなり大切です。服装や持ち物を整えておくだけで、現地で落ち着いて鳥の声に集中できます。
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また、大山や氷ノ山周辺の山地では、熊への備えも忘れないようにしましょう。熊鈴を持つ、単独で奥へ入りすぎない、早朝や夕方の行動に注意するなど、安全を優先した探鳥が大切です。
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鳥に出会えない日も、鳥のある暮らしを楽しむ
アカショウビンは、簡単に出会える鳥ではありません。
声だけで終わる日もあります。
気配だけを感じて、姿は見えない日もあります。
雨の音にかき消され、森の奥へ一度も赤い影が現れないこともあります。
でも、そういう日も、探鳥の時間はちゃんと心に残ります。
湿った森の匂い、沢音、朝の光、遠くで鳴いた夏鳥の声。出会えなかった日さえ、次にまた森へ行きたくなる理由になります。
家に帰ってからも鳥のある暮らしを楽しみたい方には、鳥モチーフのインテリアや日用品もおすすめです。探鳥に行けない日でも、部屋の中に小さな鳥の気配があると、次の森へ向かう気持ちがふっと戻ってきます。
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まとめ
鳥取県には、アカショウビンを探したくなる深い森や沢沿いの環境が残っています。
とくに、大山ブナ原生林・大山寺周辺、大神山神社奥宮周辺は、鳥取でアカショウビンを探すうえで印象的な候補地です。大山の大きな森、ひんやりした参道、湿った谷筋に響く声は、初夏の探鳥らしい魅力があります。
そのほか、鏡ヶ成・烏ヶ山周辺、船上山周辺、氷ノ山西麓・若桜町の森も、沢沿いやブナ林、山地林を意識して歩きたい場所です。
アカショウビンとの出会いは簡単ではありません。
それでも、森の奥から「キョロロロ……」という声が聞こえた瞬間の高揚感は格別です。赤い影が一瞬だけ枝葉の間を横切る。たったそれだけでも、その日の探鳥は忘れられないものになります。
鳥を追いかけすぎず、森のリズムに合わせて静かに待つ。
そんな時間そのものが、アカショウビン探鳥の大きな魅力です。


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